目次
- 血糖値スパイクが起きる原因と健康リスク
- 断食(ファスティング)の基本と「16時間断食」のやり方
- 血糖値の安定に断食がなぜ有効なのかを解説
- 実践する際の注意点とポイント
1. 血糖値スパイクとは?
「血糖値スパイク」とは、食後に血糖値が急上昇し、そのあと急激に下がる状態をいいます。これは、食べ物の中にある糖(炭水化物の一種)が一気に吸収され、血液中のブドウ糖(血糖)の量が急に増えるために起こります。
特に甘いものや白米・パン・うどんなど、精製された糖質を多く食べると起こりやすくなります。また、野菜などの食物繊維が不足している食事も、血糖値が上昇するスピードを速める原因となります。
2. なぜ血糖値スパイクが起きるの?
血糖値スパイクが起こる主な原因は、「食べるスピードが速い」「糖質中心の食事」「運動不足」などです。
血糖値が急上昇すると、インスリンというホルモンが分泌され、血糖値を下げようと働きます。しかし、インスリンが過剰に出ると、今度は血糖値が急激に下がり、イライラや眠気、集中力の低下などの不調が現れます。
また、高カロリーな食事を短時間で摂取すると、エネルギー消費が追いつかず、血糖値の上昇に拍車をかけることもあります。
普段の運動習慣や食生活を見直すことも、血糖コントロールにおいて重要なポイントです。
特に体内でのエネルギー処理がうまくいかないと、インスリンの働きにも影響します。
食後は適度な運動を取り入れ、血糖値の上昇を抑えることが大切です。
3. 血糖値スパイクと健康リスクの関係
血糖値スパイクを放っておくと、体はダメージを受けます。
- 血管が傷つくことで動脈硬化が進む
- 糖尿病のリスクが高まる
- 内臓脂肪が増えて太りやすくなる
- 集中力・やる気が続かない
こうした問題が続くと、日常生活の質も下がりやすくなります。さらに、腸内環境が乱れることで栄養の吸収バランスも悪化し、健康全体に影響を及ぼす可能性があります。ストレスや睡眠不足も血糖値の変動と関係しており、全身の代謝機能に悪影響を及ぼすこともあります。食後の眠気や不調を感じたら、早めの対策が大切です。
4. ファスティング(断食)とは?

ファスティングとは、一定の時間、食べ物をとらないことで胃腸を休める健康法です。「断食」とも呼ばれます。
最近では「16時間断食」が話題になっています。これは、1日のうち16時間は食事をとらず、残りの8時間の範囲で食べるようにする方法です。
たとえば、午後1時に昼食を食べたら、翌日の朝5時まで水分摂取だけで過ごします。そして朝5時から午後1時の間に2回の食事をとるというスタイルです。
このように時間を区切って食事をする方法を「時間制限食事法(Time-Restricted Eating)」ともいいます。断食中に摂取する飲み物は、質の良い水やカフェインの入っていないルイボスティー、ファスティング専用の酵素ドリンクがおすすめです。
ファスティングの意味は、単に食べないことではなく、消化・代謝機能の改善を目的とした健康法です。普段の食生活に栄養バランスを考えた朝食や植物性タンパク質などを取り入れることも、断食の成功を左右します。プチ断食として取り入れる人も多いです。
5. 「16時間断食」が血糖値の改善に効果的な理由
16時間断食には、次のような血糖値スパイク予防の効果が期待できます。
- 食事の回数が減ることで、血糖値の変動回数も減る
- 胃腸が休まり、インスリンの感受性が高まる(血糖値が下がりやすくなる)
- 肝臓にたまった糖(グリコーゲン)が使われ、内臓脂肪もエネルギー源として使われやすくなる
また、断食中に「オートファジー(自食作用)」という仕組みが働き、細胞内のゴミを掃除してくれます。さらに、オートファジーが糖代謝の改善にもつながる可能性のあることがわかってきています。断食は消化器官への負担を軽くし、代謝の改善にも寄与します。断食は短期的ではなく、継続することで体質改善の効果が現れやすくなります。
6. 正しいファスティングのやり方と注意点
ファスティングは無理せず、自分の体調に合わせて行うことが大切です。以下のポイントを守りましょう。
- 水分をしっかりとる(水・ルイボスティー・ファスティング専用の酵素ドリンクなど)
- 断食明けは、胃腸にやさしい食事(おかゆ・野菜スープなど)から始める
- 無理せず少しずつ慣らす(最初は12時間断食から始めてもOK)
- 糖尿病・持病がある人、妊娠中・授乳中の方は医師に相談する
また、ファスティング後の食事が高糖質・高脂肪に偏ると、逆に血糖値スパイクを引き起こすことがあるため注意が必要です。断食後に消化の良いバランスのとれた食事と軽い運動を取り入れることで、効果がより高まります。
食後の血糖値の上昇を緩やかにするためには、野菜や食物繊維を含む食材から食べ始める「食べる順番」の工夫がおすすめです。食事ではカロリーや栄養の摂取バランスにも配慮しましょう。
夜更かしを避け、睡眠時間を確保することも忘れずに。ストレスや疲労の蓄積を避けることも重要であり、必ず体調に合わせたペースで行いましょう。
7. よくある質問
- Q1. 16時間断食の最中に何を飲むのがよいですか?
- A1. ファスティング中は、水分補給が特に重要。水だけでなく、カフェインの入っていないルイボスティーや白湯などもおすすめです。1日2リットル以上を目安に飲むよう心がけましょう。また、断食している16時間の時間帯にファスティング専用の酵素ドリンクを水に薄めて少量ずつ摂取することで、低血糖を防ぐことができます。
- Q2. 毎日16時間断食を続ける必要がありますか?
- A2. 毎日行うと、かえって代謝に悪影響を及ぼしてしまうことがあります。ですので、週に1〜3回程度を目安に、ライフスタイルに合わせて無理なく取り入れるようにするとよいでしょう。
- Q3. 朝食を抜くと体に悪いって本当?
- A3. 朝食を抜くことで太りやすくなったり、注意力や集中力が低下しやすくなったりすることが報告されています。ですので、自己判断で朝食を抜くのではなく、ファスティングの専門家に相談するようにしましょう。また、糖尿病や持病がある人、妊娠中・授乳中の方は必ず医師に相談してください。
- Q4. どのくらいで効果を感じますか?
- A4. 効果の感じ方には個人差がありますが、1〜2週間で体の軽さや食後の眠気の軽減を実感する人もいるようです。
8. まとめ
血糖値スパイクは、体にさまざまな悪影響を与える可能性がありますが、「16時間断食」のようなファスティングを取り入れることで、改善が期待できます。
ファスティングは、単なるダイエット法ではなく、身体の内側から健康を整える「生活習慣改善法」としても注目されています。
栄養・睡眠・運動などを意識しながら、自分に合った方法で、無理なく楽しく取り組むことが、健康維持やダイエット成功への近道となるでしょう。