残念ながら現在は絶版になっているようですが、
『修道院の断食』(ペーター・ゼーヴァルト他著 創元社)
という書籍を紹介いたします。
ドイツ人で42歳の雑誌編集長ベルンハルト・ミュラーさん(著者の一人)が、友人にアドバイスされるシーンからスタートします。
《私はそのころ、何かを変えたいと思っていたのだろう。
そして幸運にも、ひとりの友人がその道に飛び込むきっかけをあたえてくれた。
「修道院にいってみたら?」と、その友人はいった。
「修道士について断食するんだよ。心も体も軽くするには、
なんといっても『断食』が一番さ。
断食をすませると、また元気も自信もわいてくるよ。
心機一転やり直しができる」》
そして、勧められるままに著者は修道院に向かいます。
そこで、神父さんから次のような言葉をかけられます。
《「断食をなさってよかったと、おいおいお分かりになるでしょう。
断食をすると、日常の習慣 という〈しがらみ〉から自由になれますよ」
と神父は励ますようにおっしゃってくださった。
「断食をすると、あなたはご自身という存在がはっきり
お分かりになるでしょう。
断食というのは、ただ何も食べないというだけではなく、
もっと実りの多い体験なのです」》
ミュラーさんは修道士のもとで、7日間の断食を体験します。
その後記として、以下のように記しています。
《断食は悪の攻撃に対する戦いであると同時に、
人間の心をなぐさめ、
喜ばせ、明るく元気にする。
それは素晴らしい体験であり、精神集中と鋭敏な五感をもたらし、
本当の自分自身へ、自分の魂へと導いてくれる。
断食を経験した者は、深く物事を考えることを学ぶ。
心の耳を傾けることを学び、分かち合うことを学ぶ。
それは自己の感情を再発見する旅でもあり、
自分にとって本当に大切な何かを発見する旅でもある。
断食はパラドックスそのものを、つまり相反するものを内にかかえている。
喪失することで獲得し、減少によって得るものが増える。
より少ないことがより大きいこととなる・・・・・・》
断食(ファスティング)の出会いのきっかけは人それぞれです。
ミネラルファスティングの体験も、多くの方が肉体的な変化に
止まらず、多くの気づきや心的な体験が強く印象に残ったと言われます。
日本では、修道院に行かなくてもエキスパート・ファスティングマイスターや
プロフェショナル・ファスティングマイスターのサポートでファスティングが体験できます。
断食(ミネラルファスティング)は、その人の健康状態により、
誰でもできるものではありません。
ファスティングマイスターは、あなたを安全で安心なファスティング体験に導いていきます。