日本文化特有のことばに【おもてなし】があります。
東京オリンピック招致のプレゼンテーションで、
滝川クリステルさんが強調するパフォーマンスをしたことで、
当時は注目ワードのひとつとなりました。
この【おもてなし】ということば、英語では何にあたるのでしょうか?
英和辞典のWISDOMを見てみると。。。
◎Service(サービス) 貢献、便宜、客扱い、点検・修理 など
◎Hospitality(ホスピタリティ) 親切なおもてなし、接客(用)の など
の2つのことばがあります。
とても近い意味に思いますが、日本人ならば何となく多少のズレを感じるのが正直なところではないでしょうか?
もともと【おもてなし】ということばは、【持て成す】ということばに【御(お)】がついた美化語とのことです。
では【持て成す】とはどういう意味かというと、元来は、意図的にある態度をとってみせる、という意味であったそうですが、中世以降「手厚く歓待する」という意味を持つようになったとのことです。
〈引用元:『さらに悩ましい国語辞典』(神永曉著・角川ソフィア文庫)〉
さらにネットで語源を調べていくと、とても精神性のある説明がありました。
『表なし』
表がないということは裏がないということ、すなわち【裏表がない】ということ。
面従腹背(めんじゅうふくはい:顔では従い、腹(内心)ではベロを出す)のような裏表があるものではないということ。
真心から歓待して、相手(お客さま)に喜んでもらう。
その真心からの歓待するこころが、相手(お客さま)に伝わっていく。
そのような目には見えないものを大切にする精神性、
それが【おもてなし】ということばには宿っているようです。